「社員を個人事業主に」。
驚きの働き方改革を公表して話題になった健康測定機器メーカーのタニタは、これを「日本活性化プロジェクト」と呼んでいます。
いったいどのような制度なのか、そしてタニタの採用情報、傾向と就活に当たっての対策をみていきましょう。
タニタの募集職種と初任給など
「社員を個人事業主にする」といっても、入社直後から個人事業主となるわけではありません。最初は本社での採用です。
タニタの募集職種はすべて「総合職」の中に括られていて、文系・理系問わず入社後にこのような職種に適性をみて配属するという形を取っています。
<技術職>
・ 電気、電子回路の開発設計
・ 機械開発設計
・ ソフトウェア開発設計
・ 生体工学
<営業職>
・家庭用、業務用機器の販売(国内・海外)
<その他>
・管理部門(総務、経理など)
そして初任給は、
・高専、短大卒:196,500円
・学部卒:207,700円
・修士了:218,900円
・博士了:235,300円
となっています*1。
選考は、
ES、会社説明会(Web開催を予定)、適性検査 → 書類選考 → 1次面接 → 最終面接 → 採用内定の確認
という流れです。
タニタが掲げる「社員の個人事業主化」
タニタの「社員個人事業主化」の制度はシンプルです。希望する人は退職した上で、個人事業主としてタニタと「業務委託契約」を結びます。
ただ、いきなり放り出すということではなく、最初の3年間はタニタの業務を請け負えるよう契約期間が設けられています。
もちろん、タニタ以外でも自由に働くことができます。
基本的にはタニタの仕事を業務委託の形で継続できる、と考えて良いでしょう。
働きたい人に対してはきちんと報酬を出す、社員に残業させなければならない仕事があるのなら報酬を示した上で個人事業主に委託して、結果として社員の残業を減らす「働き方改革」にもなるという狙いです。
結果、全体的に個人事業主となった社員の手取りは上がっているということで、谷田社長は日経新聞のインタビューにこのように答えています。
「会社が危機の時にも、一緒に乗り越えようと思ってもらえるかどうか。その鍵を握るのは『報われ感』です。報われ感とは、自分の能力がしっかりと評価され、貢献に見合った報酬が十分に得られていると実感できること。さらに優秀な社員であればあるほど、会社に『働かされている』のではなく、自由に主体的にやりたいと思える仕事に取り組めているかどうかも重視するはずです。働く人が主体性を発揮できるようにすることこそが『真の健康経営』だと考えています」 |
<引用:「デキる社員はフリーランスで タニタ式『働き方革命』」 出世ナビ>
個人事業主になることにはもちろんメリットとデメリットがありますが、タニタの場合は会社で身につけた知識やスキルをもとに、少なくとも最初はタニタとの契約が約束されているのが特徴です。
リストラではなく、優秀な人には多様性を身につけてタニタの仕事に生かして欲しいという考えです。
試行錯誤しつつではありますが、「会社員とフリーランスのいいとこ取り」を目指しています。
タニタの求める人物像と対策
さて、そのような働き方を特徴にしているタニタの求める人物像はこのようなものです。
・常に高い目標を持って、新しいことにチャレンジできる方 ・世の中に、新しい価値観を生み出したい方 ・自ら舵を取って、新たなビジネスを仕掛けていきたい方 ・"健康をはかる"ビジネスに興味がある方 ・商品を通して、世界を相手にした仕事がしたい方 |
<引用:「2022年度新卒採用情報」タニタ>
いずれ個人事業主になるという前提ですから、チャレンジ精神が求められるのは当然のことでしょう。個人事業主になると、社員時代に担当していた仕事以外の領域の仕事を頼まれることもあります。
向上心を持って、その変化を楽しめることが重要です。
そして、タニタへのエントリーにあたっての必須事項があります。
・書籍『タニタの働き方革命』(日本経済新聞出版社)を読んで、共感できる人
というものです。
逆に、働き方やキャリア形成についてはこの本で紹介されているので必ず読んでおかなければなりませんし、感想を求められることでしょう。そしてタニタの制度をベースに、自分であればどんなキャリア形成をしていきたいか考え、アピールできると良いでしょう。
また、タニタといえば親しみやすいTwitterアカウントで有名です。実際、TwitterやFacebookで多くの情報を発信していますので、タニタについて知るためにはチェックしましょう。YouTube、ニコニコ動画のチャンネルでは商品情報などが紹介されています。
タニタへの就活にあたって参考にしたい書籍やサイトとまとめ
タニタに関する書籍としては、先ほども挙げた
「タニタの働き方革命」日本経済新聞出版社
があります。エントリー資格として、これは読まなければなりません。
また、タニタの働き方改革については、社長のインタビューなどが新聞や雑誌などのWeb記事で多く掲載されています。
そのうちの一つがこちらです。タニタ公式Twitterの「中の人」も個人事業主になった一人で、こちらの記事ではシリーズ内でその様子が語られています。
「社員が個人事業主に タニタの改革が合理化でない理由」出世ナビ ニューススクール
そして、タニタの沿革がわかる会社案内はこちらです。
「企業情報」
また、社会貢献活動についても知っておきましょう。
「社会貢献活動」
さて、タニタが考えている「個人事業主(フリーランス)化」ですが、フリーランスである筆者の場合は、収入の変動というのもありますが、メリットも多く感じています。
まず、会社との上下関係が少し変わり、フラットな関係を築きやすくなり、意見を言いやすくなります。
一部の打ち合わせなどを除けば就業時間が決まっているわけではないので、時間の使い方やどんな仕事をするかも自由度が上がります。また、ひとつの領域にとらわれない知識が身につく、それをさらに外で生かせるという「雪だるま式」に視野や仕事の幅が広がっていくことなど、メリットを感じて楽しめる人は向いているでしょう。
まずは本を手に取り、会社の考えをしっかり理解してから臨みましょう。
*1「2022年度新卒採用情報」タニタ