マツダは、世界130ヶ国以上で「MAZDA」ブランドの自動車を製造・販売する中堅自動車メーカーです。1920年に東洋コルク工業として創業され、1960年代には「キャロル360」が大ヒットし、一時はトヨタ自動車や日産自動車を抑えて国内首位に君臨しました。現代では、「スカイアクティブ技術」と「魂動デザイン」を武器に、商品力の高い自動車づくりに注力しており、世界的なファンを抱えています。
業績と販売台数:マツダが発表した2024年4〜12月期の連結決算によると、純利益は前年同期比45.3%減の906億円でした。
連結出荷台数は前年より1万4千台多い90万2千台、売上高は3%増の3兆6,894億円でしたが、営業利益は26%減の1,483億円となりました。
マツダは乗用車を中心とする完成車メーカーで、国内では日産、トヨタ、ホンダ、スズキに次いで5番目の規模です。北米市場での販売が好調で、米国とメキシコでは年間販売台数が過去最高を記録し、グローバル販売は前年同期比4.0%増の96万6千台となりました。
平均年収と平均年齢: マツダの平均年収は大卒総合職で30歳で480万~580万円、課長職レベルで900万~1,000万円ほどです。平均年齢は42.2歳であり、大手メーカーの標準的水準です。マツダは自動車デザインに定評があり、将来性も期待されている企業です。
本記事では、過去10年間のデータを基に、マツダが新卒採用時に選定する採用大学のボーダーラインや傾向について詳しく見ていきましょう。
この記事を書いた人
Mana部長(新卒採用14年目)

- 中堅大学(Cランク)卒業
- 初職は社員数200人のフリーペーパー発行会社
- 25歳にパーソルに契約社員で入社
- 35歳に人材会社(パーソル)から財閥企業へ転職
- 書類選考も合わせると新卒・転職で年100人以上を選考
- 新卒:三次面接・転職:最終の面接官
- ■ X(旧Twitter):@gakurekilab
- ■ Instagram:gakurekilab
- ■ Facebook:gakurekilab
この記事でわかること
- 新卒でマツダに入社するときの学歴の目安がわかります。
- 新卒採用の人数がわかるので、就職難易度がわかります。
- マツダに内定をもらうためにおススメな新卒エージェントがわかります。
自動車業界の採用大学状況一覧(2024データ)
企業名 | 年収 | A最難 | B難関 | C準難 | D中堅 | E下位 | Fラン | 採用数 | 男性 | 女性 | 女比 | |
1位 | トヨタ | 899.8万 | 14校 | 15校 | 4校 | 1校 | - | - | 332人 | 249 | 83 | 25% |
2位 | ホンダ | 831.1万 | 12校 | 8校 | 1校 | 1校 | - | - | 468人 | 300 | 72 | 15% |
3位 | 日産 | 877.1万 | 14校 | 21校 | 16校 | 3校 | 2校 | 1校 | 281人 | 198 | 30 | 11% |
4位 | スズキ | 702.0万 | 13校 | 20校 | 23校 | 17校 | 5校 | 1校 | 438人 | 377 | 61 | 14% |
5位 | マツダ | 689.4万 | 8校 | 10校 | 6校 | 4校 | 2校 | 2校 | 217人 | 191 | 26 | 12% |
6位 | SUBARU | 691.1万 | 12校 | 14校 | 6校 | 2校 | 2校 | - | 227人 | 198 | 29 | 13% |
7位 | いすゞ | 786.6万 | ||||||||||
8位 | 三菱 | 786.3万 | 14校 | 21校 | 29校 | 24校 | 11校 | 10校 | 181人 | 153 | 28 | 15% |
9位 | 日野 | 652.6万 | ||||||||||
10位 | ダイハツ | 651.1万 | 9校 | 16校 | 19校 | 17校 | 5校 | 4校 | 101人 | 85 | 16 | 16% |
記事作成するために、マツダが公表している「有価証券報告書」や東洋経済社が発行している「会社四季報」「就職四季報」からデータを収集しました。このデータにプラスして、筆者が13年間で培った採用ノウハウを織り交ぜてお伝えをしていきます。
マツダで採用実績のある大学とは
大学ランク別の採用状況

- 各業界の大企業(上位企業)では、学生からのエントリー数が1万人以上あります。しかし、これを担当する企業の人事部の採用担当者は、大企業であっても数名しかいません。
- そのため全てのエントリーに目を通すことは不可能です。大学生の頑張りを可視化するには、TOEICスコアや大学名しかありません。そのため、学歴フィルターが完全になくなることは難しいのが現状です。
- しかしここ数年で大企業にも人材の流動性が重要です性が浸透し、終身雇用の意識が急速に薄れつつあります。
その結果、人材の多様性やコミュニケーション能力が重視される傾向が強まり、中堅大学にも門戸が広がり始めています。チャンスを掴むことができる時代とも言えますね
マツダの採用実績からわかるランク別大学群の内定実績
マツダは2023年以前の採用実績校を会社規定により公開していませんが、2024年と2025年のデータと過去の実績を参考にし、以下の大学の実績があることがわかりました。
Aランク(最難関大学/偏差値65以上相当)
採用あり | |
私立大学 | 早稲田大学、東京理科大学、慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学 |
国公立大学 | 京都大学、東京科学大学(東京工業大学)、北海道大学、大阪大学、神戸大学、九州大学、名古屋大学、一橋大学 |
Aランク大学の中でも、早稲田大学、東京理科大学、慶應義塾大学、京都大学などの採用が見られますが、東京大学や上智大学などの一部最難関大学からの採用は少ないです。これは、マツダが技術力を重視する一方で、特定の研究分野や地域性を重視している可能性があります。
Bランク(難関大学/偏差値60相当)
採用あり | |
私立大学 | 明治大学、法政大学、関西大学、 関西学院大学、同志社大学、立命館大学 |
国公立大学 | 筑波大学、千葉大学、岡山大学、広島大学、東京農工大学、東京外国語大学、神戸市外国語大学、横浜国立大学、京都工芸繊維大学、名古屋工業大学、山形大学、山口東京理科大学、大阪公立大学(大阪府立大学) |
Bランク大学では、広島大学や関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)などの採用が多く見られます。特に地元広島大学の採用が多いことが目立ちます。一方で、MARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)からの採用はやや少ない傾向にあります。
Cランク(中堅大学 ※準難関/偏差値55相当)
Cランク以下の大学からも少数ながら採用が見られますが、数は限られています。
採用あり | |
私立大学 | 工学院大学、東京都市大学 |
国公立大学 | 熊本大学、九州工業大学、山口大学、香川大学、愛媛大学、三重大学、茨城大学、長崎大学、兵庫県立大学、北九州市立大学 |
Dランク(中堅大学/偏差値50相当)
Dランク大学からも採用が見られますが、数は限られています。
採用あり | |
私立大学 | 日本大学、近畿大学、広島国際大学 |
国公立大学 | 鳥取大学、長岡技術科学大学、広島市立大学、熊本県立大学、大分大学、島根大学、県立広島大学、宮崎大学、豊橋技術科学大学 |
Eランク(中堅から1ランク下の大学/偏差値45相当)
Eランク大学からも採用が見られますが、数は限られています。
採用あり | |
私立大学 | 東京経済大学、愛知工業大学、国士舘大学、東海大学、千葉工業大学 |
Fランク(偏差値45未満相当)
Fランク大学からも採用が見られますが、数は限られています。特に地元の広島工業大学からの採用が見られるのは、地元重視の傾向があるからかもしれません。
採用あり | |
私立大学 | 広島工業大学、四国学院大学、久留米工業大学、福山大学 |
ランク別内定の内訳は下の図のようになります。
マツダのランク別内定の内訳はAランク(最難関大学/偏差値65以上相当)が20%、Bランク(難関大学/偏差値60相当)が29%、Cランク(中堅大学 ※準難関/偏差値55相当)が19%、Dランク(中堅大学/偏差値50相当)が18%、Eランク(偏差値45相当)が8%、Fランク(偏差値45未満相当)が6%となっています。

マツダの新卒採用人数ランキング
2024年新卒採用人数
1.広島大学 32人
2.山口大学 11人
2.九州大学 11人
4.愛媛大学 9人
5.近畿大学 7人
6.鳥取大学 6人
6.広島市立大学 6人
6.日本大学 6人
6.同志社大学 6人
6.広島国際大学 6人
11.岡山大学 5人
11.九州工業大学 5人
11.千葉工業大学 5人
14.香川大学 4人
14.大分大学 4人
14.早稲田大学 4人
14.立命館大学 4人
14.広島工業大学 4人
19.東北大学 3人
19.東京工業大学 3人
19.山口東京理科大学 3人
19.福山大学 3人
※「大学通信オンライン」参照
傾向と分析: 2024年の採用人数で特徴的なのは広島大学からの採用が多いことです。そして他にも広島市立大学、広島国際大学、広島工業大学と、広島県の大学からの採用が目立ちます。他にも九州工業大学、千葉工業大学、東京科学大学(東京工業大学)など、工業系の大学からの採用も多いです。
2022年新卒採用人数
- 広島大学 19人
- 九州大学 13人
- 同志社大学 12人
- 大阪大学 9人
- 立命館大学 9人
- 岡山大学 9人
- 東京工業大学 6人
- 早稲田大学 5人
- 明治大学 5人
- 大阪府立大学 4人
- 北海道大学 4人
傾向と分析: 2022年の採用人数では、広島大学が圧倒的に多く、次いで九州大学が続きます。これは、マツダが地元大学からの採用を重視していることが明確です。その他にも、関西の難関大学や東京の一部有名大学からの採用が多いことがわかります。
2021年新卒採用人数
- 広島大学 28人
- 九州大学 12人
- 同志社大学 12人
- 岡山大学 9人
- 立命館大学 9人
- 大阪府立大学 7人
- 京都大学 6人
- 慶應義塾大学 5人
- 大阪大学 5人
- 早稲田大学 4人
- 北海道大学 4人
- 関西大学 4人
傾向と分析: 2021年も広島大学が最多で、九州大学と同志社大学が続きます。関西圏の大学からの採用が多い一方で、関東圏の大学からの採用は相対的に少ないです。
2020年新卒採用人数
- 広島大学 23人
- 九州大学 15人
- 立命館大学 10人
- 同志社大学 8人
- 大阪大学 7人
- 明治大学 6人
- 京都大学 5人
- 東北大学 5人
- 筑波大学 4人
- 慶應義塾大学 4人
- 大阪府立大学 4人
- 関西学院大学 4人
傾向と分析: 2020年も広島大学が最多で、九州大学が続きます。立命館大学や同志社大学といった関西の大学からの採用が目立ちます。明治大学など、関東圏の大学からの採用も見られますが、数は少なめです。

マツダの採用大学には、地元広島大学や九州大学、関西の難関大学からの採用が多く見られます。特に広島大学からの採用が圧倒的に多いことが特徴的です。一方で、MARCHや関関同立といった有名私立大学からの採用は少なめで、中堅私大からの採用もわずかです。このことから、マツダは特定の地域や大学を重視していることがうかがえます。
また、技術力を重視するマツダにおいては、工学系や理系の大学からの採用が多いことも特徴です。特定の分野や地域に強い大学からのエントリーを積極的に受け入れているため、これらの大学に在籍する学生はマツダへの就職を積極的に考えてみてください。
マツダでの年度ごとの採用大学
マツダは2023年以前の採用実績校の詳細を公開していませんので、2024年と2025年のデータとなります。
2025年4月入社採用大学実績
文系 | 大学院 | 下記に含む |
大学 | 早稲田大学、東京外国語大学、国士舘大学、広島大学、関西大学、関西学院大学、神戸市外国語大学、名古屋大学、三重大学、愛媛大学、山口大学、熊本県立大学 | |
理系 | 大学院 | 下記に含む |
大学 | 東京科学大学、早稲田大学、明治大学、東京理科大学、法政大学、同志社大学、関西大学、大阪大学、近畿大学、名古屋大学、九州大学、広島大学、広島市立大学、横浜国立大学、愛媛大学、山口大学、広島工業大学、九州工業大学、岡山大学、大分大学、茨城大学、鳥取大学、島根大学、長岡技術科学大学、久留米工業大学、長崎大学、立命館大学、京都工芸繊維大学、熊本大学、東京農工大学、名古屋工業大学、兵庫県立大学、日本大学、山形大学、県立広島大学、東海大学 他 |
2024年4月入社採用大学実績
文系 | 大学院 | 下記に含む |
大学 | 広島大学、同志社大学、関西学院大学、明治大学、立命館大学、慶應義塾大学、大阪大学、一橋大学、上智大学、国際基督教大学、県立広島大学 他 | |
理系 | 大学院 | 下記に含む |
大学 | 広島大学、広島市立大学、愛媛大学、九州大学、山口大学、日本大学、鳥取大学、九州工業大学、岡山大学、千葉工業大学、早稲田大学、大分大学、長崎大学、香川大学、広島工業大学、近畿大学、東京工業大学、東北大学、神戸大学、立命館大学、宮崎大学、京都大学、北九州市立大学、長岡技術科学大学、大阪大学、東京理科大学、関西大学、同志社大学、東京農工大学、名古屋工業大学、京都工芸繊維大学、明治大学、東京都市大学、豊橋技術科学大学 |
マツダの役員が卒業した大学とは?
マツダは、その技術力とデザインで世界中にファンを持つ中堅自動車メーカーです。日本の自動車業界においても重要な地位を占めるこの企業には、多くの優秀な人材が集まっています。ここでは、マツダの役員の卒業大学と学部について詳しく見ていきます。
経営陣 学歴情報(2025年4月現在)
役職 | 氏名 | 卒業大学 | 卒業学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
代表取締役会長 | 菖蒲田 清孝 | 同志社大学 | 工学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
代表取締役社長兼CEO | 毛籠 勝弘 | 京都産業大学 | 法学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
代表取締役専務執行役員兼CFO | ジェフリー・エイチ・ガイトン | - | - | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役専務執行役員 | 青山 裕大 | 東京大学 | 工学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役専務執行役員 | 廣瀬 一郎 | 金沢大学 | 工学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役専務執行役員兼CSCO | 向井 武司 | 広島大学大学院 | 工学研究科 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役専務執行役員兼CSO | 小島 岳二 | - | - | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役 | 佐藤 潔 | 早稲田大学 | 法学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役 | 小川 理子 | 慶応義塾大学 | 理工学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役監査等委員 | 渡部 宣彦 | 慶応義塾大学 | 法学部 | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役監査等委員 | 北村 明良 | - | - | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役監査等委員 | 柴崎 博子 | - | - | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役監査等委員 | 杉森 正人 | - | - | ||||||||||||||||||||||||||||
取締役監査等委員 | 井上 宏 | 東京大学 | 法学部 |
役員の卒業大学の傾向
マツダの役員の出身大学を見ると、以下のような傾向が見られます。
- 同志社大学や京都産業大学といった関西の大学からの卒業生が重要な役職を占めています。
- 東京大学や早稲田大学、慶応義塾大学といった日本のトップ大学からも多くの役員が輩出されています。
- 一部の役員は大学名が公表されていないものの、多くの重要なポジションを占めていることがわかります。
学部の傾向
- 工学部出身の役員が多く、マツダが技術力を重視していることがうかがえます。
- 法学部出身の役員も複数おり、企業運営において法務知識が重要視されていることがわかります。
- 理工学部などの理系学部からも役員が選ばれており、技術系の知識が評価されています。
社長について
現在の社長は2023年に就任しました。
歴代の社長の出身大学は全員はわかりませんでしたが、慶応義塾大学(3名)、東京大学(1名)、一橋大学(1名)、東北大学(1名)、大分大学(1名)、広島大学(1名)、兵庫県立大学(1名)、京都産業大学(1名)(※旧名称含む)となっており、やはり高学歴であることがわかります。
マツダの採用人数・採用難易度

マツダの新卒採用 内定数の推移
マツダの新卒採用数は、2016年から2025年までの間に以下のように推移しています。
大卒 |
修士了 |
男性計 |
女性計 |
新卒採用数 |
|||
男性 |
女性 |
男性 |
女性 |
||||
2025年 |
68 | 21 | 112 | 7 | 180 | 28 | 208 |
2024年 |
62 | 14 | 141 | 6 | 203 | 20 | 223 |
2023年 |
54 | 16 | 141 | 7 | 195 | 23 | 218 |
2022年 |
58 | 14 | 133 | 12 | 191 | 26 | 217 |
2021年 |
63 | 24 | 127 | 9 | 190 | 33 | 223 |
2020年 |
71 | 24 | 124 | 12 | 195 | 36 | 231 |
2019年 |
60 | 20 | 129 | 13 | 189 | 33 | 222 |
2018年 |
56 | 25 | 136 | 19 | 192 | 44 | 236 |
2017年 |
50 | 25 | 134 | 16 | 184 | 41 | 225 |
2016年 |
50 | 14 | 136 | 15 | 186 | 29 | 215 |
新卒採用数の総評
マツダの新卒採用数は年間平均222人であり、大きな変動は見られません。これは、マツダが安定した採用計画を維持していることを示しています。採用人数が最も多かったのは2018年の236人で、最も少なかったのは2025年の208人です。
男女比率の分析
男女比率を見ると、男性の割合が非常に高く、平均で約86%を占めています。一方、女性の割合は平均で約14%と低い数値に留まっています。
各年度の女性採用数の変動
- 2016年: 29人 (13.5%)
- 2017年: 41人 (18.2%)
- 2018年: 44人 (18.6%)
- 2019年: 33人 (14.9%)
- 2020年: 36人 (15.6%)
- 2021年: 33人 (14.8%)
- 2022年: 26人 (12.0%)
- 2023年: 23人 (10.6%)
- 2024年: 20人 (9.0%)
- 2025年: 28人 (13.5%)
他社との比較
他の主要自動車メーカーと比較して、マツダの女性採用率は次のようになっています。
- トヨタ自動車: 24%
- 本田技研工業: 17%
- 日産自動車:19%
- スズキ: 16%
マツダの女性採用率は、トヨタ自動車や日産自動車と比べると低く、本田技研工業やスズキと同程度またはそれ以下となっています。
傾向と課題
マツダの新卒採用において、男性が圧倒的に多い傾向があります。これは自動車業界全体で見られる傾向ですが、特にマツダでは顕著です。以下のような傾向と課題が見られます。
-
安定した採用数: 毎年200人以上の新卒を採用しており、安定した採用計画を維持しています。これは、マツダが安定した事業運営を行っていることを示しています。
-
男性比率の高さ: 男女比率で見ると、男性の割合が非常に高く、女性の割合は14%前後に留まっています。これは、技術系職種が多い自動車メーカーにおいて一般的な傾向ですが、ダイバーシティを推進するためには女性採用率の向上が求められます。
-
他社との比較: トヨタ自動車や日産自動車と比較すると、女性の採用率が低いことが課題です。特に、トヨタ自動車の24%と比較すると、マツダの女性採用率は大幅に低いです。
-
女性採用率の変動: 2018年と2017年は女性の採用数が比較的多かったものの、それ以降は減少傾向にあります。この点も今後の改善ポイントとして挙げられます。
採用試験情報
マツダは採用人数が多いとはいえ、だれもが知る有名企業ですので、採用倍率は非常に高いといえるでしょう。
選考における重視科目は総合職、技術職とも面接です。
筆記試験はSPI3(会場)、面接は1~3回(Webあり)です。
採用プロセスは、
〈総合職〉エントリーシート提出(3月~4月)→1次面接(5月)→適性検査(5月)→2次面接(6月)→最終面接(6月)→内々定(6月)※2次面接、最終面接はない場合あり
〈技術職〉エントリーシート提出(3月~5月)→1次面接(4~6月)→適性検査(4~6月)→2次面接(4~7月)→最終面接(4~7月)→内々定(6月)※学校推薦は1次面接、2次面接なし
となっています。
選考で重視していることは、
エントリーシート‥‥求める人物像と合致しているか、設問に対して論理的に回答できているか
面接‥‥求める人物像との適合性
です。

また、自分がどう貢献できるか、自分が惹かれた理由、自分のキャリア観との整合性など、志望動機と自己分析の深堀りも大切です。
しっかり事前準備して臨みましょう。
マツダの従業員数、平均年齢、勤続年数、離職率
企業の従業員数、平均年齢、勤続年数、離職率は企業の組織や働き方についての多くの情報を示してくれます。
従業員数により企業の規模感がわかります。大企業の方が良い、とは一概には言えませんが、施設、研修・教育プログラム、福利厚生等は比較的整っています。
平均年齢は業界によっても低い業界と高い業界がありますが、平均年齢が低い企業は一般的には急速に成長している企業などで新卒採用や若手の中途採用を積極的に行っている可能性があります。
その反面、キャリアの途中で離職してしまうケースが多い傾向もあります。
平均年齢が高い企業は長期雇用が一般的で、従業員が定着しやすい環境が安定している可能性があります。また、中途採用や経験者採用を積極的に行っていることも多いです。
勤続年数が長い場合は、社員の満足度が高く昇進やスキルアップの機会が多いことが多いです。また、正社員が多い企業では勤続年数が長くなる傾向があります。
逆に、短い場合は完全実力主義で離職する人が多い可能性があります。
従業員数が増加しており勤続年数が長く離職率が低い場合、企業は安定していて働きやすい職場であることが多いので、就活をする際には参考にしてみてください。
それでは実際にマツダで働いている人のデータを見てみましょう。
マツダの従業員数と男女比
マツダの従業員数と男女比は下の図の通りです。
マツダの従業員の男女比率は新卒採用の男女比と全く同じで男性86%、女性14%でした。
マツダの企業HP「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」によると、女性活躍と男性育児休職取得の推進について女性管理職数を2025年度100人、男性育児休職(産後パパ育休含む)取得率2025年度70%という目標を立てています。また、プライベートと会社生活とを両立させ、いきいきと活躍できるようにワークライフバランスの促進、充実に取り組んでいるようです。
従業員の平均年齢
マツダの従業員の平均年齢は下図の通りです。
業種によって従業員の平均年齢は変わってきますが、東京商工リサーチの『2020年3月期決算 上場企業1,792社 「従業員平均年齢」調査』によると、2020年3月期決算の上場企業1,792社の平均年齢(中央値)は41.4歳 となっています。
マツダの従業員の平均年齢は男性、女性、全体とも上場企業の平均を上回っています。
従業員の平均勤続年数
次にマツダの従業員の平均勤続年数を見てみましょう。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、2023年9月時点で日本の企業の平均勤続年数は12.7 年(男性 14.3 年、女性 10.4 年)となっています。
マツダの従業員の平均勤続年数は、男性19.6年、女性15.9年、全体では19.0年でしたので、日本の企業の平均勤続年数を大きく上回っています。
ここからわかることは、マツダは離職率が低く、定着率が高いということです。
長く勤める社員が多いことから、職場環境や待遇が良く、社員満足度が高いことが推測されます。
また、業績が安定していて、リストラなどの大きな人員整理が少ない可能性があります。
ただ、平均年齢が高い企業ほど、新しい技術やビジネスモデルへの適応が遅れがちな面もありますので、若手が活躍できる企業であることを期待したいですね。

ちなみに、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によると、就職後3年以内の離職率は新規大学卒就職者が34.9%(同2.6ポイント上昇)となっています。(令和6年現在)
マツダの新卒の3年後の離職率は6.8%となっていて、平均的な離職率よりもかなり低い数値となっています。
離職率が低いという事は、福利厚生が充実している、キャリアアップが見込める、職場環境が良いなど、従業員が長く働きたいと思うような特徴があることが多いです。
マツダの社員の声
最後に、実際にマツダで働いている社員のコメントを見てみましょう。入社後、想像と違った‥という事にならないためにも参考にしてください。
【働き方(勤務時間・休日休暇・制度)】勤務時間については厳密に管理されているのでタダ働きみたいなことにはなりにくいと思う。有給も取りやすいと思う。突発で休む時も上司がフォローしてくれるため、問題なく休むことができた。リモートワークは場所によっては難しいところもあるが、設計業務であればできるところが多いと思う。フレックス制を導入されているため好きなように働くことができる。副業は禁止されている。
男性/ 研究開発/在籍3~5年/ 正社員
【福利厚生・オフィス環境】住宅補助はない。その代わりにベネフィットの制度があるが、たいした金額がもらえるわけではない。その他これといって特徴的な福利厚生はないが、新車購入時の社員割引だけは自動車会社に勤めていてよかったと思える。広島を本社とする企業で、工場だけでなく開発や事務職のほとんどが広島にあるため、ほとんどの社員が広島勤務となる。一部東京オフィスを除いて広島の建屋は非常に古い。ところどころリフォームをしているので環境としては特段問題はない。
男性/ 開発/在籍16~20年/ 正社員
【企業カルチャー・組織体制】上司を説得できれば色々挑戦できるイメージ。(その説得が面倒ですが)量産に行くほどいろんな部署とやりとりするので風通しはいいが、研究や先行開発に行くほど難しい。量産に行くほど他部署とやりとりが多く交流は多い。研究、先行開発ではそこが弱いがグループ内での情報交換がマメなため各チームのやってることは把握できる。
男性/ 量産機能開発と先行開発/在籍6~10年/ 正社員
【女性の働きやすさ】女性は働きやすい。子育てしながら働いている人が多いので、周りも理解がある。子育てされている方はフレックスを活用して早く切り上げる人もいて、子どもの送り迎えなどもやりやすそう。男性も周りの目を気にせず早く帰ったりしている。リモートや中抜けの休憩も部署にもよるが、比較的自由にできる。
広報/在籍3~5年/ 正社員
【成長・働きがい】部署にもよるかもしれないが、若手にチャンスが回ってくると感じる。失敗しても責めることはほとんどなく、上司も適切にサポート、フォローしてくれる。海外赴任のチャンスも多々あり、また、社員は仲間という認識があるせいか、とても働きやすい会社であると認識している。
男性/ 企画財務/在籍16~20年/ 正社員
【入社前とのギャップ】人間中心の開発ということでそれをADAS領域で適用した車開発や色々最新技術に挑戦できるという魅力を受け入社。入社後のギャップとして、個々の機能は完成しているが車両全体としてみたら全然連携などできてない部分が多く、開発の仕組みが遅れている。理由として人が少なく目の前の仕事に追われすぎてやりきれないことにあると思っている。また担当している機能が本当にお客様にとって必要かという疑問をもちながら仕事をしている人も多い。これら問題に対して色々改善しようという思いの人も多いためまだ期待はできると思う。
男性/ 量産機能開発と先行開発/在籍6~10年/ 正社員
※「エンゲージ会社の評判」の一部引用
まとめ
マツダの採用大学には、マツダの本社が広島という事もあり、地元広島大学や九州大学、関西の難関大学からの採用が多く見られ、特に広島大学からの採用が圧倒的に多いことが特徴的です。
一方で、MARCHや関関同立といった有名私立大学からの採用は少なめで、中堅私大からの採用もわずかです。このことから、マツダは特定の地域や大学を重視していることがうかがえます。また、技術力を重視するマツダにおいては、工学系や理系の大学からの採用が多いことも特徴です。
マツダの役員構成を見てみると、技術系の知識と法務知識を兼ね備えた人材が多く採用されていることがわかり、関西圏と関東圏の大学から多くの優秀な人材が集まっていることも特徴でした。
また、安定した採用計画が見られる一方で、男女比率に大きな偏りがあり、特に女性の採用率が低いことが課題として残ります。ダイバーシティ推進の観点から、女性の採用率を高めるための施策が求められるでしょう。今後の採用動向にも注目が必要です。
[データ参照・引用元]
- マツダが公表している「有価証券報告書」
- 東洋経済社が発行している「会社四季報」「就職四季報」
- 10年間で培った年100人の採用面接のノウハウ
- 「エンゲージ会社の評判」
自動車業界の採用大学状況一覧(2024データ)
企業名 | 年収 | A最難 | B難関 | C準難 | D中堅 | E下位 | Fラン | 採用数 | 男性 | 女性 | 女比 | |
1位 | トヨタ | 899.8万 | 14校 | 15校 | 4校 | 1校 | - | - | 332人 | 249 | 83 | 25% |
2位 | ホンダ | 831.1万 | 12校 | 8校 | 1校 | 1校 | - | - | 468人 | 300 | 72 | 15% |
3位 | 日産 | 877.1万 | 14校 | 21校 | 16校 | 3校 | 2校 | 1校 | 281人 | 198 | 30 | 11% |
4位 | スズキ | 702.0万 | 13校 | 20校 | 23校 | 17校 | 5校 | 1校 | 438人 | 377 | 61 | 14% |
5位 | マツダ | 689.4万 | 8校 | 10校 | 6校 | 4校 | 2校 | 2校 | 217人 | 191 | 26 | 12% |
6位 | SUBARU | 691.1万 | 12校 | 14校 | 6校 | 2校 | 2校 | - | 227人 | 198 | 29 | 13% |
7位 | いすゞ | 786.6万 | ||||||||||
8位 | 三菱 | 786.3万 | 14校 | 21校 | 29校 | 24校 | 11校 | 10校 | 181人 | 153 | 28 | 15% |
9位 | 日野 | 652.6万 | ||||||||||
10位 | ダイハツ | 651.1万 | 9校 | 16校 | 19校 | 17校 | 5校 | 4校 | 101人 | 85 | 16 | 16% |
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